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株式会社アルファ・テン 人事部長 : 「大田原 幸司」
給料支払日の前日になって、従業員に横領されてしまい、今月の給料の支払いが難しい状況です。そこで、来月の給料支払日に今月分もまとめて支払うということで、社員にお願いしようと思いますが、大丈夫ですか?
株式会社アルファ・テン 顧問社会保険労務士 : 「齋藤 順孝」
原則として、今月の給料については、今月の給料支払日に全額支払わなければなりません。したがって、会社側から一方的に事情を伝えるだけで、来月の給料支払日に今月分もまとめて支払うということは認められません。
そもそも、給料については労働基準法で賃金支払いの5原則として、
@お金で支払う
A本人に支払う
B全額支払う
C毎月支払う
D決まった日に支払う
というものがあるためです。
人事部長 : 「大田原」
う〜ん、そうは言っても「無い袖は振れない」という言葉もありますが、お金がないのに、支払うことはできませんよ。労働基準法は、会社は借金してでも給料を払えと言っているのでしょうか?
社労士 : 「齋藤」
結論から言えば、そうなります。
理由は、従業員の中には、毎月の家賃、ローンの返済などをされている方もいらっしゃるため、給料の支払いがないことは、従業員にとっても死活問題になってきます。
それだけ、給料の支払いができないことは重大な問題になるということです。しかし、今回のように給料支払日の前日に通常では予期し得ない横領という事故が発生し、会社が最大限努力をしても、支払いをすることができないため、その支払いを待ってもらう必要がある場合は、従業員一人一人の同意を得る必要があります。
人事部長 : 「大田原」
従業員一人一人の同意を得れば、給料の支払いを待ってもらうことができるのでしょうか?
社労士 : 「齋藤」
待ってもらうことができるというイメージではなく、同意を得た上で、給料の支払いを待ってもらうことを従業員一人一人に特別に認めてもらうというイメージです。
重要なことは、「特別に認めてもらう」ということです。特別に認めてもらう訳ですから、同意してもらえない従業員がいる場合は、当然、その従業員に対しては、賃金支払いの5原則通り、今月の給料支払日に今月分の給料を全額支払わなければなりません。
人事部長 : 「大田原」
なるほど、このような場面において、従業員を納得させられるかどうかは、普段から会社と従業員が分かり合っていないと難しいということですね。
社労士 : 「齋藤」
そうですね。都合の良いときだけ話し合いましょうという訳にはいきませんから、日頃から会社と従業員との間で積極的な話し合いやコミュニケーションをとっていき、信頼関係を築いておくことは、言うまでもありませんね。
 
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